大分市石炭産業科学館

三池炭鉱ほりだし物語 第6回 開催しました。

「ひざをついた仲間を支えようとした瞬間、目の前がぐるりとまわり、(視界には)天井がうつりました。」

平成30年3月31日、三池炭鉱ほりだし物語 第6回を開催しました。
講師は元炭鉱マンであり、昭和38年に起きた戦後最悪の炭鉱事故、三川坑炭塵爆発の当事者であった、宮脇好光さんです。

事故の当日、宮脇さんは坑内にいらっしゃいました。
爆発地点からは離れてはいましたが、坑道を流れる一酸化炭素は容赦なく宮脇さんたちを襲いました。

「誰かに身体を抱えられながら歩いてるのを、うっすらと覚えています。」

「水の中を・・・川ですね。川だと思いました。川の中を歩いていました。これは三途の川かな?とか思ったことを覚えています。」

淡々と事故当時の状況が語られていきます。
経験者の言葉であるからか、それは真に迫り、まるで目の前で、その事故が起きているかのような錯覚をおぼえるほどでした。

事故後、一酸化炭素中毒になった仲間、長く苦しい裁判闘争、慰霊碑への思いなどが語られていきます。

「三池炭鉱には、このように負の遺産もあります。それを知って、(次の世代に)大牟田に誇りと愛着を持ってもらえたらと。」

坑内の図や中毒患者の人数表など、多数の資料を提示し、丁寧に丁寧に言葉を綴っていきます。

そして、あっと言う間に講演も終了時間を迎えました。

「時間になりましたので、これで最後になりますが・・・」

「私は三池炭鉱に勤めてよかったと思っています。」

「後悔はありません。」

割れんばかりの拍手が会場を包みました。

平成29年度 三池炭鉱ほりだし物語 最終回を締めくくるに相応しい言葉だったと思います。

宮脇さん、本当にありがとうございました。

※平成30年度も三池炭鉱ほりだし物語の開催を予定しています。詳細はHPや各SNSにてお知らせいたしますので、どうぞお見逃しなく。 


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