【時代の生き証人の肉声を聴く】
―新人弁護士が見てきた裁判闘争の軌跡―
死者83名、負傷者13名― 昭和59年1月18日、福岡県三池郡高田町(現・みやま市)にあった三井三池炭鉱有明鉱において、この大規模な坑内火災災害は発生した。一方、福岡から遠く離れた千葉で、一人の青年が、その悲惨な事故をテレビニュースで知った。
それから三か月後、司法修習生だった青年は弁護士となり三池に立つ。被害者家族を原告とし、会社側に損害賠償を求める「三井三池有明鉱火災訴訟」の弁護団に加入・・・弁護士として開業してから、時は幾ばくも流れていなかった。
被災者家族を回り、原告団への参加を誘った際に感じた厚く高い壁、検証のための最初で最後となった坑道への坑・・・そして、裁判は平成元年 和解解決に至った。
三池炭鉱掘り出し物語 第3回は、「三井三池有明鉱火災訴訟」弁護団の一人、八尋光秀さんに、この訴訟について語っていただきます。
【講師プロフィール】
八尋 光秀(福岡県弁護士会精神保健委員 九州・山口医療問題研究会代表幹事)
1954(昭和29)年生まれ。
1984 年 弁護士登録。
西新共同法律事務所開設。
医療過誤事件、薬害エイズ訴訟、ハンセン国賠訴訟、薬害肝炎訴訟等の集団訴訟、刑事冤罪事件などに関わり、「患者の権利宣言」「患者の権利法」運動に参加、医事法学会に所属。
主な著作に『90 年目の真実』などがある。
【三池炭鉱掘り出し物語とは】
大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブと共催で隔月1回、三池炭鉱にかかわる人々から貴重な話を聞く、連続講演会。
三池炭鉱をとりまく歴史や技術、社会など様々な側面から、多くの炭鉱関係者に語ってもらうことで、三池炭鉱の物語を掘り出し、今後に伝えていくことを目指しています。